10日の白い月

 

日が暮れると 私は滅多に外に出ない。

しかし 美しい月が山の上に出た

10日の夕方 5時半前。

窓から見えた明るい月の

白い光を見ようと外に出た。

 

靴の下に感じる雪は バリバリと凍った音がした。

雪の張り付いた木々の枝が くっきりと見え

空気が 澄んだ鋭い音を立てているようだった。

 

窓辺に置いている鉢植えの葱は

細くて 長い葉が幾本も伸び

毎日切っては 汁物の上に散らしている。

淡くて 柔らかい葉は香りがない

かよわい 温室育ちだ。

雨も風も夜露も日照りも知らない。

大事に育てよう。