土曜日の夜に 強い風が吹いた。
風速7mの風でも
杉の人工林は唸る様な音で大きく揺れた。
川の水はいつもは歩いて渡れるのに
叩きつける雨が長時間降り 黄土色の濁流になり
その様は 川の中の魚が大暴れしている様だった。
4日月曜日。
大暴れした川は いつもの様に透明な翡翠色。
白い泡を立てて 気持ちのいい軽やかな音で下って行く。
青空に白い雲が 南から北へとゆっくりと流れ
川の傍の芒の原から飛び立った
名前の知らない小さな野鳥。
こんな日が続けばいい。
雨水をたっぷりと吸った苔の緑。
舞い降りた紅百日紅の赤い葉は
緑のセーターに付けた ブローチの様だ。