山椒の赤い実

 

実のなる山椒の木は 植えたもの

花の咲く山椒の木は 自生のものと村の人は言うが 

はて それが本当なのかどうかは分からない。

 

集落の家のそばには 柿 梅と並んで

実山椒が必ず植っている。

なんでも家で作っていた当時の名残だ。

 

初夏に 緑の実を豊かにつけた山椒の木は

ちょうど今頃に 赤く色づき始める。

緑の山椒と香りは同じ。

 

もっと赤くなったら 摘み取って 

手のひらにいっぱい程貰おう。

よく乾かした赤い実を

使うたびにペッパーミルで挽いて使おう。

例えば焼き魚の上で ガリガリと挽いてみよう。

赤くて粗い粉の爽やかな香りが 

私を喜ばすはずだ。