淡いブルーのコアジサイと
白いウツギの花は 同時に群れて咲く。
濃密な香りは むせるようだ。
山の中 道路の脇
毎年 自分たちの領域を広げていく。
上に螺旋を描いて飛ぶ鳶は
その香りに酔ったように 大空を舞う。
いつものように 可愛い声で鳴く事もなく
ゆっくりと 風に乗っている。
数日前に 淡い緑の南高梅を少し買った。
白の琺瑯鍋で漬けられるだけの量。
毎年 一年分の梅を漬ける。
実を「小屋」の中で熟れさす。
熟れるにつれて 甘い香りが漂う。
オレンジと赤い色になると漬け頃で
すももの様に齧ってみたいなあと思う。
2024.6.7 「カザルスへの旅」伊勢英子著