大して期待もせずに 読み始めた本であるのに
最初から面白く 読み進んでいる。
5月15日のブログ
『見えない蝶をさがして」「チェロの木」』の作者だ。
「日常のこまごまとした事に
押しつぶされそうになっていた私の感性。
一度自分の全ての束縛から放り出してみたかった」と
伊勢英子は カザルスの住んでいた
スペインの小さな村プラドへ旅立った。
一才の権力に背を向け 永遠の亡命者を決意した。
私が説明するまでもなく 余りにも偉大なチェリストだ。
3歳からチェロを弾いている 絵本作家の伊勢英子は
なぜカザルスの地に行ったのか。
それは読み進めば 分かるだろう。
文章の上手さ 美しさ 生きる事への情熱。
日常の束縛から解き放たれたいと思い
それをすぐに行動に起こす決断とバイタリティ。
旅をする伊勢英子の心の中は
彼女の絵のように 鮮やかに文で描かれる。
1987年発行の本だ。
図書館で借りているこの本は
沢山の人に読まれたらしく 廃れた体裁をしている。
読んだ人の心に 様々な想いを残したはずだ。
この本は「カザルスへの旅」「パリひとり時代」
「もうひとつの旅」「はこだて幻想」
の四章からなっている。