梅の実を拾う

 

今は廃屋となってしまった 築何百年の家の庭。

そこには 桜 梅 柿 紅葉 山椒 馬酔木等々

大きな幹になり それぞれの木々が実をつける。

 

その廃屋のそばの 黒いアスファルトの道路に 

まるで どんぐりが撒かれたように

小粒の梅が落ちていた。

 

淡い緑の 銀杏くらいの大きさや

どんぐりくらいの大きさの

梅の実を拾って持ち帰った。

余りにも美しく 可愛い形だったから。

 

手のひらに載った青い小さな実は

一人前に甘い香りを 微かに放つ。

 

杉の大木の年輪の上に 置いてみる。

梅より先に落ちていたのは 

エゴか クロモジの実なのか?

共に並べて 写真を撮る。

梅の実の赤い色が 少女のようだ。