私の住んでいる市は 川に沿って桜の木が長く続く。
その殆どが ソメイヨシノだ。
淡くて 薄いピンクの花びらが群れて美しい。
毎年 その桜を見ようと思うが 見逃す時もある。
今年は 小雨の夕方
図書館の返却ポストに返本もあり 桜を見に出かけた。
川向こうに横たわる 比良山系の頂き近くは
白い靄に包まれて 小雨の中の花見となった。
木のベンチに座る事も コンビニコーヒーも
今年はなく 傘をさし早々と車に引き返した。
「じい 散歩」藤野千夜著を読んで
面白く 興味を持った。
その後 「編集ども集まれ」「彼女の部屋」
と 続けて4冊図書館から借りた。
・元気な90近い爺の家族の話。
・藤野千夜さんを投影した小笹が笹子になるまでの話。
・短編集で 5話からなる小説の最後の作に
凄みを感じた話。
・50年近く前に建てられた公団住宅に
50年近く住んでいる女友達二人の話。
・男子中高進学校の 漫画研究クラブの夏合宿でのBL。
最終章は映画「スタンド バイ ミー」を思わせた。
そのどれを読んでも 最後にしみじみとした。
人間への鋭い観察力 表現力 凄み。
芥川賞を取った時 細い綺麗な藤野氏は
今は立派な体躯をしているのを 写真で知る。
トランスジェンダーでもある
藤野氏の本はまだまだある。
好き嫌いが分かれる作家かも知れない。
私は途中下車しながら 読んでみようと思う。