馬酔木の花が咲いた

馬酔木の花
馬酔木の花

 

馬酔木の木は 村の山 道の脇 どこにでもある。

花が咲いていない時の馬酔木は 

濃い緑の艶のある葉っぱが 枝にふさふさとついている

全く目立たない木だ。

 

20代に読んだ 堀辰雄のエッセイ「大和路」に

馬酔木の花が出てくる。

京都 浄瑠璃寺の山門への道に 

並んで植っているというのを読み

数年後(半世紀前)に友達と尋ねた事がある。

 

JRの駅から どうやって行ったのか覚えていないが

田舎道 山道を随分歩いた記憶がある。

そして 辿り着いた浄瑠璃寺

本堂の前に 小さな池があるこぢんまりとした寺だった。

綺麗な吉祥天の像もあったと思うが 覚えていない。

馬酔木の木は 花の季節ではなかった。

 

帰り道に 道端に並べて売られていた

椎茸 柿の実を買い 竹筒にお金を入れた。

確か200円だった。

 

今日目覚めると 強風で雪が横殴りに降っていた。

山の木の枝が 大きく揺れてゴーゴーと音を立てていた。

数センチ積もった雪は すぐに溶け

雨水のように 屋根から滴り落ちた。

夕方に風が止み 心のざわつきが落ち着いた。