山の色が変わってきた。
濃い緑の塊のようだった山の姿は
今は色褪せているのに 驚く私だ。
朝の鳥の鳴き声が様々で 一体どれだけの鳥が
小屋の周りを飛び交ったり
枝に留まって 鳴いているのか。
本というのは不思議なものだ。
私の場合 音楽でも 絵でも感じられない
心の浄化作用 と言えば少し大袈裟?
例えば 今私は「メインの森」を再読している。
「森の生活」のソローが
メイン州を旅した時の細かな記録だ。
19世紀半ばのメイン州の森の奥深く
友達と案内人のネイティブアメリカンと三人で
未開に近い森を ある時はカヌーで ある時は徒歩で
野営をしながらの旅。
針葉樹の枝を切り それを重ねてベッドにし
木綿の布を枝にくくりつけテントにし
周りにふんだんにある木を 景気よく燃やし
暖をとったり 服を乾かしたりと
キャンプの原点を知る。
下を向いていた心が ソローと深い森を歩いている。
世界は広いのだと 本は私に話してくれる。