シルバーグレーの軽バンが止まった。
京都の家と 実家の山奥の村とを行き来している
80代のネイティブ男性だ。
外の椅子に座って夫と話を始め
私は ほうじ茶とクッキーを出した。
1時間程の話が終わり
明るい青空の下
銀色の軽バンは 奥の集落に向けて
ゆっくりと走り去った。
心臓にペースメーカーを入れてから
復活した Sさん。
元気だ。
じっと目を凝らさないと 見過ごしてしまう
赤い小さな花の群れは 水引草。
細い茎に ごま粒みたいな花が並ぶ。
日の入り前の 夕焼け空。
淡いピンクに染まった雲が 頭上に広がる。
数日後に 台風が来るのが嘘のようだ。