小屋の窓の向こう
前をしっかりと見つめて飛ぶトンビ。
電信柱のてっぺんで
ピーヒョロと鳴いている下を
私が歩いているのを 知っているはずだ。
顔馴染みとでも呼ぼうか。
そのトンビの羽かどうかは分からない。
草の上にハラリとした風にあったのを
次の日に持ち帰り 机の上に。
つい最近まで咲いていた 小屋のそばの薊の花。
いつの間にか 茶色の萼になり
それを手折り 机の上に。
墨色の羽と 茶色の薊の花の萼
これは写真に撮らないと。
二つを並べ スマホのボタンをカシャリと押した。