夕方にヒグラシが鳴き始めた。
夜に寂しげな声でなく 鳥のトラツグミ。
そのトラツグミの声に負けないほどの
寂しい声で鳴く。
まだ ここに引っ越してくる前
草刈りに来た日 ヒグラシが鳴き始めると
帰る準備をした。
その声が 侘しく 寂しく
私はやるせなくなったものだ。
合歓の木の 絹糸のようなピンクの花。
その花とヒグラシの鳴き声は
私に夏の始まりを教える。
夜のラジオの合間に 窓から聞こえる
川の流れと 鈴のようなカジカの声。
今日も
何やかんやと体を動かし 汗をかいた。
窓から流れ込む 夜の冷気が心地いい。
私の平穏な1日の終わりだ。