枯れた花

 

風の吹いた次の日。

道の脇の吹き溜まりや 雪の上に

セピア色の枯れた花や 葉っぱが落ちている。

 

それは 山のどこかで咲いていた花や

紅葉していつか茶色に変わった葉っぱだ。

 

手袋をした指で 丁寧に拾い 持ち帰り

松ぼっくり 栃の実 

どんぐりや メタセコイヤのぼっくり

そんなものが入っている鉢に置いた。

 

その鉢を眺め 

私はこういうものが好きなのだと

今更ながらに気づくのだ。

 

カラカラに乾き 茶色になった木に咲く花を

小さな小さな白磁の壺に挿す。

 

色褪せたセピア色の 写真の様な花は

オフホワイトの花に

緑の葉っぱをつけていた時よりも

凛とした風情を身につけた。