名残りの桜の花びら

 

平地より 遅くやってくる桜の開花だが

いよいよ これで最後かと思う

淡いピンクの花びら。

 

雪の下から顔を出した 茶色のままの苔の上

ふわりと落ちて止まった 春の名残り。

 

輝く五月の明るい日の

昼まで吹き荒れた強い北風に 吹き飛ばされもせず

心地良さげに寛ぐ姿の 儚く薄い花びらは

まるで 絵本の中の1ページの様だ。