雨に濡れた忘れな草

 

こぼれ種から芽吹いた 忘れな草

冬の様な 冷たい雨と強い風に倒れている。

 

忘れな草を 人差し指で持ち上げると

雨を纏った分の 儚い重さが伝わる。

 

降り続ける雨に 

小さな水色の花はうつむいて

フルフルと揺れている。

 

淡い緑の木々の葉っぱは

風にしなる 細い枝に

ハタハタとしがみついている。

 

春から初夏に移る 緑輝く季節の

裏切りのような冷たい一日。

ストーブに薪を燃やして

ずっと小屋の中で過ごした。