小さな陶の箱(1)「花畑」

 

明るい窓際に

手のひらに載るほどの小さな

陶の蓋物を置く。

 

「花畑」という名の陶の箱。

蓋を開けると どんぐりが二個入る。

まるで湯船に浸かっているようで

かわいいのだ。

 

そして

蓋を閉める時の

軽いカシャっという響きが

何かを話しているように思える。

 

小さな陶の箱が 私に語るのは 

言葉ではない。

「何かを感じるか?」と

遠くを見つめているだけだ。