なんて美しいんだろう。
買い物帰りの車の窓から見えた月。
白く輝く光は 静かに雪の原を
冴え冴えと照らす。
車から降りて
肘をボンネットに固定し
スマホのシャッターを押す。
音のない 静かな世界に
カシャリと響く。
道路脇のデジタル温度計は0度。
月の光に輝く雲も 下に広がる原も
硬質の表情を見せる。
満月の光で 私の姿も影になる。
辿り着いた小屋の上。
南の空に狩人のオリオン座が広がる。
根雪の上を歩くと バリバリと音がする。
満月の光が 世界を
そして 私の足元を照らしてくれる。