朝 窓から見えたのは
木の枝にまで降り積もった
輝く白の雪だった。
小屋の前を走る車の音が聞こえないのは
一面の雪に吸い取られるから。
そして
屋根から連なって並ぶ氷柱。
キラキラと朝陽に輝く。
これを見て
「グラスに入れて ウィスキーを注げば
どんなに美味しいだろう」
と思うのは私だけではないはずだ。
隣の集落に住む 粋な知人。
友達がやって来た時
得意になって氷柱を割り
ウィスキーのオンザロックをサービスした。
「旨い!」と二人で感動して
天然氷を楽しんだ。
朝 水になった氷を見て
その汚さに驚愕した。
茅葺屋根から滴り落ちた雪の氷柱。
朽ちた茅や見えない程の虫でも
入っていたのだろう。
天然のものとは そんな物だと思う。