トミコさんから
赤い実があるけど 採りに来るか?
と電話がかかってきた。
雪の降る数日前だ。
そこは明るい林道の側。
山帰来の赤い実が覗いていた。
8、9年履いている
皮の編み上げ靴の裏はツルツルで
坂を昇り降りする時に
見事に滑って転げ落ちた。
ズボンを泥々にして
持ち帰った赤い山帰来の実。
小屋のそばに生えている
アケビとノブドウの蔓をくるくると巻いた。
赤い実を それに這わし
陶の器に沢山溜めてある
松ぼっくりを蔓に乗せた。
これはクリスマスリースではない。
冬の野に 残された赤い実と
葉が枯れた蔓の姿が美しい。
それを
白の壁に吊るしかっただけだ。
2021.12.21 雪が降ると必ず思い出す本