杉の人工林の暗さは
歩いていても 気持ちまでもが暗くなる。
黄色や茶色や赤の葉っぱの木々なら
どんなに明るい空間だろう。
山の中に倒れている広葉樹は
風化した様さえ 美しい。
林道を埋める茶色の杉の枝 日陰カズラの緑
そして
山の上から飛んできた広葉樹の枯葉。
そのどれもが 昨日の冷たい雨に濡れて
色がより深い。
私の靴に踏まれそうになった
大きな朴の枯葉。
上を見上げても 朴の木は見えず
どこから ふわりと飛んできたのか。
立ち止まり 形のいいその葉を愛でた。