焼き上がった40個のクッキーを
黄土色したプラスチックの保存容器に
白の紙を敷き
きっちりと立てて並べる。
小麦粉や砂糖と一緒に
きな粉をたっぷりと加えて
よく練った塊は しっとりとして
まるでマジパンだ。
いい加減に引きちぎり
上をフォークで押さえる。
焼き上がりはしっとりとソフトで
きな粉の香ばしい香りがたつ。
箱に並んだクッキーは
砂漠の中の 崩れた遺跡のそばに
転がっている 無釉の陶のかけらの様だ。
この風情が好きで
私はこのクッキーをよく焼いている。