絵本「みみお」 鴻池朋子著

「みみお」鴻池朋子著
「みみお」鴻池朋子著

 

丸くて もふもふ 目も 鼻も 口もない

見た事もない 生き物「みみお」

 

深い森の中 春に生まれたみみお。

櫟のふかふかの枯葉の上 スノードロップの花の下で。

四季を通じて 森を旅し 冬に巡り会うまでを

鉛筆で精密に描かれ 簡潔な文で書かれた

美しく 深い絵本だ。

 

 

夏が過ぎ 秋が訪れる。

そして ある朝 秋から冬の白い世界へ。

雪に覆われた 川辺 石 杉の枝。

 

森の四季の神秘さ みみおの成長を

作者は鉛筆画と文で優しく 時にはダイナミックに描く。 

自然をじっと見つめ それを紙に描く。

その筆力を強く感じる本だ。