30年前の本のページをめくり
私は本当にこの本を読んだのか?という
不思議な感覚を先日書いた。
その日から読み始め
そして昨日
「やっぱり 私はこの本を読んでいた」
主人公であるオースター(著者でもある)
亡くなった父の遺品整理をしている時に
現れた一枚の写真。
その箇所を 私は覚えていた。
そして 忘れていたストーリーが
次々へと思い出された。
本の中で語られる
なぜ父は家族を愛する事が出来なかったのか
なぜ 家族に無関心であったのか。
その疑問が 遺品の膨大な写真
手紙によって明かされていく。
人それぞれが抱えている 心の中の一部分
闇とまではいかない ぼんやりとした灰色。
半ば私小説に近いオースターの文は
読者が共感を覚えるのに充分だ。