用事があって 山を下る。
JRの駅界隈に行くまで
ずっと緑の山 田んぼ 広い川が続く。
広い緑の空間に 「ああ気持ちがいい。」
用事を次々と済ませ
最後は図書館に本の返却。
返却した本の中 一冊の雑誌に
金井美恵子の面白い文があった。
猫の話。
金井美恵子の「知人」の猫がある日いなくなった。
数年後
「知人」が仕事先近くの寿司屋に入ると猫がいた。
寿司屋の店に猫とは
そんな事が気にならない客ばかりなのだろう
と 「知人」は思った。
その猫は人懐こく「知人」の足に擦り付き
尻尾を絡めて来る。
ふっと
「この猫はいなくなったうちの猫ではないのか?」
と「知人」は思った。
その猫の持つ特徴を調べると
なんとそれはいなくなった猫だった。
多分 家の近くのバス停からバスに乗り
降りた所で いい匂いのする寿司屋があった
と「知人」は推測した。
数年間 いい所で可愛がってもらい
そして数年後 飼い主の「知人」の元に帰ってきた。
今も 呑気に幸せに暮らしている。
と 大体がこんな話だ。
これは忘れられない話になりそうだ。