「落石注意」と大きく書かれたもの
そして 黄色の地に黒で
石が転がり落ちているのが描かれたもの。
そんな交通看板が 細い山道に
いくつも立っている。
いつ上から
転げ落ちてくるか分からない石に
注意するのは無理だ。
霧雨が降る今日の午後
その看板の先に
たわわに実った木苺。
一つ 二つと
摘んでは袋に入れた。
小屋に帰り 雨に濡れた靴が重い。
そして 案の定
黒いヒルが私の右腕に這っていた。
細い薪で下に落とし バシッと退治した。
慣れたものだ。