紫色のアジュガの花が
敷き詰められた様に広がっていた。
あんなのが うちの小屋のそばにあれば。
あやめやカキツバタの 静かな風情とは違う
立派な花を持つ ジャーマンアイリス。
こんな花が好きだと言うと
次の日に 掘り起こした花の株が届いた。
ちょっと話した事を
ちゃんと覚えてくれたチエコさん。
それらを小屋のそばに植え
私の頭の中は それらの花が群れて咲く
光景でいっぱいになった。
その日から数年
やっと 自然の中の草のような優しさで
紫色のアジュガが咲いた。
そして 後ろにジャーマンアイリスの若葉。
アジュガの花が消えた頃に
立派なアイリスが花開くのだ。
今は亡きチエコさんの形見となった花達。
野の草に混じって咲く様が 生き生きとして
それが私はとても好きなのだ。