農家の庭先に
所在なげに横になっている
趣深い木。
「あれは一体なんだろう?」
稲木だよ。
刈り取った稲を干す為に 栗の木で柱を2本作り
縦に8個ほどの四角の穴を開けるんだ。
その穴に竹や木を渡し
その横木に稲を逆さに干すんだよ。
乾燥機が使われる様になった今
この稲木は使われる事なく
庭に呑気そうに日がな一日
のんびりと横になっている。
硬くて腐食に強い栗の木。
遠い昔の汽車の枕木も栗の木だ。
手斧(ちょうな)で
根気よく四角に削って出荷した。
林業を生業とする村の産物だった。
うちの薪ストーブでは
栗の木はパチパチと音と火花を飛ばし
そして
焼き栗のような香りが小屋に漂う。
山にもっと栗の木が増えて欲しい。
動物達がその恩恵をたっぷりと受けるのは
人間にとってもいい事だろう?