川の流れを見つめるのは
焚き火を
ぼんやり眺めるのに似ている。
メラメラと燃える木の炎。
それを囲む人は 話す事もせず
炎が小さくなれば
その上に 又 木を積む。
川がザーザーと音をたてながら
石や岩を越えて行く。
白い泡が姿を変え 勢いよく流れる。
それらは ずっと見飽きる事がないのだ。
今日も私は川を見た。
白い泡を立て 踊るように流れ去る川。
ぶり返した寒さと
吹き殴る北風に
毛糸の帽子を被り
マフラーをぐるりと巻き
ポケットに手を入れて
楽しげに走る去る川を 今日も眺めた。