うちのそばの谷を20メートルも入ると
もうそこは 深い山の風情だ。
普段は暗い杉の人工林が続き
暗くて 面白みのない山だが
雪が降ると
暗い景色は 白い明るい山に姿を変える。
谷の水は豊かに流れ落ち
ここを カワガラスが縄張りにしている。
鹿の通る獣道が
あちらこちらに見かけ
夜になると
ここを通って下に降りてくるのだ。
タイチさんは
猪が昼寝をしている所に出会した。
あの大きな猪が
ひっくり返るようにして
山の奥に逃げて行ったとか。
熊が杉の木の皮を
バリバリと剥がしている時は
「コラ!」と叱った。
滅多に出会わない猪や熊も
確かに 私の周りで生活をしているのだな。