静かな白い世界

20日 朝
20日 朝

 

太陽が昇る前に

雪が止んだ今のうちに

深とした雪景色の写真を撮りたい。

 

ズボンのポケットにスマホを入れ

「滑らないように」と

雪に覆われた 低くて 短い階段を

ゆっくり降りた。

雪を踏みしめる靴の音が響く。

 

私を取り囲む山も 道も 原っぱも

静かな白い世界。

川は 空を映し 鉛色。

 

除雪車が 重い音を立てて

走り去った後に 又 薄い雪が積もり

タイヤの跡が モノクロの雪景色の沈黙を破る。

 

日の暮れが 遅くなり

始まったばかりの冬の 夕方5時の明るさは

私の心を暖かくする。