一日中 雨が降った。
雪が降るまでにやっておこう
と 計画した外仕事が出来ない。
傘をさして 外に出ると
山を包む白い靄が ゆっくりと姿を変え
鳥の声も聞こえない。
美しく静かな 灰色の世界に包まれる。
まだ冬は始まったばかりなのに
私は 明るさを運ぶ冬至を待ち
春を待っている。
ストーブの上で沸く湯がありがたく
鍋の中の 野菜や肉のクツクツ炊ける音や
その香りが 胃の腑を喜ばす。
首に巻いたマフラーの温もりが嬉しい。
冬は厳しい時ばかりではないのだと
自分にそう話しかける冬の始まりだ。