私がのんびりと
朝のパンを齧っている時に
表で車の止まる音。
紅茶でパンを飲み込み
慌てて口元を拭い
ドアを開けると
沢山の野菜の入った袋を持った
タツコさんが立っている。
と いう事がたまにある。
「おお、ありがとうございます。
嬉しいです」
陽が昇る前に起き 陽が沈めば寝る。
今時 こんな生活ではないが
これに近い生活をしている
この辺りの人達。
朝の6時過ぎに電話がかかる事もある。
「朝 早くにすまん」との言葉がないのは
これが日常なのだろう。
早起きのここらの奥様達が
競って野菜を作っている中でも
特に 良い腕を持つタツコさん。
貰った柔らかく 新鮮な春菊で
作った ナムル。
このナムルの味の決めては「新鮮さ」
洗って水を切り
塩を振りかけ ごま油をかけるだけ。
食べる時に よく混ぜて
熱いご飯と共に。
春菊の香りが立つ 素朴な味。
好きな鉢に盛れば
より 美味さが増す。