我が限界集落の生活道路は 細い県道である。
鹿や熊が 人間より多いこの地の道路を
頻繁に車が通る。
雲一つない空は 日本晴れ。
空気のいい山の中へ
ほんの少し色づいた紅葉を見る為に
街から 車でちょっと一走り。
深夜に うちの前を走る車は
夜明けの雲海を見る為に
カメラと共に峠まで。
狭い一本道 「どうぞ気をつけて」
空気は 刈られた草の香りを含み
川の水は透明で
車から ちょっと降りたら
せせらぎの音も聞こえる。
田んぼから立ち昇る
草を燃やす煙は
平和で穏やかな暮らしの証しだ。
うちは夕方になれば
表で 枝や紙を燃やす。
その白い煙の 遠くからの眺めは
なんとも いい風情なのだ。