秋という季節

ガマズミ
ガマズミ

 

朝 ドアを開けて表に出ると

アスファルト道路が 黒く雨に濡れていた。

 

夜の間に 音もなく降り

草木も露を含んだ 美しい姿になった。

 

そして この空気の冷たさ。

秋が始まったばかりなのに

まるで 初冬の寒さが

首筋から入り込む。

 

ストーブで湯を沸かし 網を載せてパンを焼く。

うっかりと 

煙が出るまで気がつかない時もある。

 

大きなヤカンから 迸る様に出てくる湯。

その湯で淹れた紅茶。

廉価なティーバッグの紅茶でも

香り高く おいしくなるストーブの魔術。

 

小屋の壁に積まれた薪

煙突から立ち昇る煙

赤い木の実。

 

日暮れが早くなり

玄関の上の灯火が 暖かく感じる。

 

私にとって秋は

心がホッと一息入れる季節の様だ。