村の山に分け入る(2)

炭焼き小屋
炭焼き小屋

 

家は向かい同士。

生まれた時から いつも一緒。

そんな二人が 毎年炭を焼く小屋がある。

数年前 幼友達の一人が 亡くなった時

号泣したというもう一人が

未だに炭を焼いている。

90歳に近い この地のネイティブ男子だ。

 

小屋の扉は鍵もかからず

細い紐で括られているだけ。

その紐を解き 中を覗きたい衝動に駆られるが

そこをグッと我慢するのは

山の神様の目を感じるから 

と いう事にしておこう。

 

軽トラ一台分の 林道の脇に立つ

周りの自然と同化している趣き深い小屋だ。

うちの小屋もこうでありたい。

 

岩盤が剥きでた林道。

この林道を作る時の様子が浮かぶ。

掘削機で 堅い岩盤をガンガンと崩し

重機が活躍し 少しづつ出来上がった道。

 

この道を 鹿が 熊が 猪が

そして たまに人間が 軽トラが通る。

県道から脇の山に入るだけで

深い山 森がある。

 

雨でなければ 歩いて行きたい深い山。

林道に舞い落ちた 黄色の紅葉の葉。

美しい。

 

晩秋の頃の青空の日に もう一度 歩きたい。