家は向かい同士。
生まれた時から いつも一緒。
そんな二人が 毎年炭を焼く小屋がある。
数年前 幼友達の一人が 亡くなった時
号泣したというもう一人が
未だに炭を焼いている。
90歳に近い この地のネイティブ男子だ。
小屋の扉は鍵もかからず
細い紐で括られているだけ。
その紐を解き 中を覗きたい衝動に駆られるが
そこをグッと我慢するのは
山の神様の目を感じるから
と いう事にしておこう。
軽トラ一台分の 林道の脇に立つ
周りの自然と同化している趣き深い小屋だ。
うちの小屋もこうでありたい。
岩盤が剥きでた林道。
この林道を作る時の様子が浮かぶ。
掘削機で 堅い岩盤をガンガンと崩し
重機が活躍し 少しづつ出来上がった道。
この道を 鹿が 熊が 猪が
そして たまに人間が 軽トラが通る。
県道から脇の山に入るだけで
深い山 森がある。
雨でなければ 歩いて行きたい深い山。
林道に舞い落ちた 黄色の紅葉の葉。
美しい。
晩秋の頃の青空の日に もう一度 歩きたい。