白い野の百合

集落のあちらこちらに

白い百合の花が群れて咲いている。

 

太い一本の茎から

幾つもの花をつけたのもあれば

風が吹けば すぐに倒れそうな

細い茎の 小さな花まで。

 

広い原っぱに

ピンクのゲンノショウコと競う

白い百合の花の群れ。

しばし立ち止まり 

その美しさを心におさめる。

 

10日ほどの華やかな生を

暑い日差しの下

今が盛りと揺れている。

 

秋の虫が鳴き

月が柔らかな光を地上に注ぎ

冷たい夜露が白百合に落ちる夜。

 

涼しい空気が 窓から吹き込む朝の

その気持ち良さを待ちながら

さあ 今夜はこれで終わりだ。