ヤマケンさんのすもも

薄いダンボールの箱に 新聞を敷いて

ヤマケンさんが すももを届けてくれた。

 

数年前から

ヤマケンさんの家の裏の

たわわに実るすももをもらう。

 

去年は実らない歳だった。

そして

「今年は熊に食べられた」

と 悔しい顔だ。

 

よく熟れた小さい実は黒く 甘く

まだ 酸っぱいのは 明るい紅色。

 

半分はそのまま食べて

傷のあるのは ジャムにする。

 

ガラスの器に盛られた 

紅色の実の可愛い姿。

一粒指でつまみ 食べると

甘く 酸っぱい香りが立つ。

 

明るい陽光の下

水に濡れたすももは

ガラスの器の中で とても綺麗だ。