濡れたアスファルトの道路に
濡れた合歓の花。
そこで 私はやっと
合歓の花の咲く頃だと気づいた。
見上げると
灰色の空を背景に
絹糸を束ねた様な花が
群れて咲いていた。
それらも やはり
濡れそぼれた花だった。
雨の降る日は 空を見ない。
いつも
足元ばかりを見て歩く。
そして 出会った花は
濡れた道の上に
沢山の 見事に散らばった絹の花だった。
降り続く雨に
空気も 何もかも 全てが冷たい。
今夜も
ストーブに薪をくべた。
小屋の中は ほんわかと暖かい。