木のスプーンに黴が生え 拾った梅に砂糖をまぶす

 

今日もずっと雨だった。

激しい雨ではない。

 

少し動いただけで 汗をかく

湿度100%の世界で

木のスプーンには 黴が生え

食器を拭いた布巾は湿ったままで

心の中は苔の緑色に染まりそうだ。

 

道路の脇に

淡い緑と 杏色の大きな梅が

ころりと5個落ちていた。

 

見上げると

枝にはまだ梅の実が。

 

ズボンのポケットに

5個の梅を突っ込み 持ち帰り

ナイフで削ぎ 

砂糖をたっぷりとまぶして

冷蔵庫に入れた。

 

容器の蓋を開けると

甘酸っぱい梅の香り。

 

果汁が出たら

梅ジュースを飲もう。

冷たい伏流水で割った梅ジュースは

堪らなく美味しいだろう。