フキの佃煮

 

小屋の周りに群れている

手を広げた様な淡い緑の葉。

柔らかいフキの葉っぱ。

 

フキの佃煮を作るのが

この辺りの初夏の台所仕事だ。

自分では進んで作ったりはしない。

 

先日も

94歳 現役の農婦オチヨさんから

黒光りのするフキの佃煮をもらったばかり。

かわいい密閉容器に入った佃煮は

ご飯のお供。

ちょっと辛い醤油味は

この辺りの標準の味。

 

去年は 

オチヨさんの沢山のフキで

佃煮を作った。

一本一本畑の周りで採った物を

粗末には出来ない。

 

そして 

今年はトミコさんから貰ったフキで。

これも 粗末には出来ない。

 

ザクザクと切り

ストーブの火で湯がく。

湯を捨て 醤油と砂糖 

自生の山椒の葉をたっぷりで煮る。

 

醤油色の煮汁が煮詰まるまで

根気よく待つ。

 

出来上がりに ほんの少しの酢をたらす。

甘辛いのが私の佃煮。

ホウロウの器に保存し

陶の蓋物に入れたのは食卓に。

 

炊きたてのご飯に

ぜんざいの添えに。

 

作る前は「面倒だな」と 思うが

作ってしまうと 作って良かったと思う。

私は面倒くさがり屋だ。