谷に沿って歩く

 

久方振りに

小屋の北の谷にそい

奥へと上がる。

 

谷の水は清らかで

木々の間から漏れる陽が明るい。

 

鳥達の鳴き声が

あちらこちらで響く。

大きく響くのは シジュウカラの警戒音。

 

倒れた木々を覆う

柔らかな苔 地衣類。

 

時折聞こえる ピシッという音。

周りを見渡しても 何もいない。

 

何かに どこからか 見られている様な

そんな気がする。

 

道路から50メートルも山に入れば

そこは深い山。

木々に囲まれる人間は

小さな存在だ。