雪のないお正月。
ここに住み始めて 初めての事だ。
空気は冷たく 風は強い。
そんな元旦だった。
子供時代 お正月の日の光は
昨日と違って見えた。
同じことを言う友達がいた。
のんびりと朝寝をして
小屋の中でウロウロし
午後は川沿いに歩いた。
深呼吸すると 冷たい空気が
肺の奥深くまで届いた。
山の中で鳥が鳴き
その声が北から南へ移っていく。
川の音は変わらず ザーザーと
私の歩く靴の音がボコボコと
広い空間に吸い込まれた。
お正月の間に
日暮れが遅くなり
5時を過ぎてやっと薄暗くなる。
それがとても嬉しく 気分がいい。
こんな風に
取り立てて 新しい事もなく
私の新年が始まった。