木の実を集めたのが 遠い日の様だ

 

どんぐり 松ぼっくり 栃の実 

拾ってズボンのポケットに入れたのが

ついこの間の事だ。

 

雨がしとしとと降り続ける冷たい今は

木の実を集めたのが

遠い日のように感じる。

 

艶々と光るどんぐりや栃の実

表に向かって手を広げる松ぼっくり

 

自然の造形の見事さと合理性

 

白い皿に

ごろごろと移し

それを

二坪小屋の松の台に載せる。

 

早い夕暮れの弱い光が

木の実を照らす様は

中世の絵の古典的な色をしている。