小屋の前の杉の木に
スーッと蔦の蔓が伸びて来たのは
いつだったろう。
貧弱な小さな葉っぱが
真っ赤に染まって
ああ もう秋なのだと
毎年知らされる。
いつ迄この雨の季節は続くのかと
あきあきしている今朝。
深い緑の
雨に濡れたつやつやとした葉に
おっ、と気がついた。
ふさふさとした
大きな葉っぱ。
か細い蔓の吹き飛ばされそうな
小さな葉っぱだったのに。
長い雨や 強い風
深く積もる雪。
自然の生物は
雨を吸い 風に叩かれ
雪の中で忍耐を覚える。
そして
今朝 突然に
小さな蔦が
ぼんやりした私の前に
成長した姿で現れた。
「大きくなったねぇ」