自然の造形

 

林道の脇 谷の中

山の林の中に

ゴロンと横たわっている 風化した木。

 

何年 山の中で生き

何年かかって 別の形になって

私と山の中で遭遇したのか。

 

小さな芽を出し 葉を茂らせ 倒れ 

土と苔をまとい 雨水を含み 

鳥の声を聴き

嵐の叫びにも動じず。

 

そんな長い時を過ごした風化した木。

哲学的な風貌になるのは

いかにもと 納得だ。

 

自分の生きる道を

時に任せた穏やかさと潔さ。

自然が作った造形は 迷いがない。