春から夏へ

栗の木
栗の木

 

真夏の様な暑い数日間だった。

陽射しまでがギラギラと夏の顔。

 

帽子に汗が沁みる程の暑さが

日陰に入ると冷やりとする。

「ああ いい気持ちだ」

 

大きな栗の木の下の

大きな日陰。

聞こえる 葉の揺れる音。

そして

葉の揺れる影。

 

春から夏への移行は

風に乗ってやって来る。

 

山の樹々の花達の香りであったり

小屋の窓の

薄い白木綿のカーテンの

はためきであったりする。