一日が終わる夕闇

午後6時40分
午後6時40分

 

午後6時40分。

山の中の村に

街よりも早い夜がやってくる。

 

空はまだほの暗く

あの空の向こうは

どんな夜の景色なのか。

 

家の窓から灯りが漏れて

テレビのニュースの音がして

暗い道を

LEDの眩しい光が

暗い夜道を明るく照らしているのだろう。

 

夜の海辺の町では。

波の打ち寄せる音と潮の香りがする。

そして やはり

夕ご飯の鼻をくすぐる匂いが

窓から流れて

誰かを呼ぶ声が聞こえていたりする。

 

春のまだ寒い夜に

白い月の光と

神話を語る星座と

しっとりとした夜露が

明かりの漏れる

家を 優しく包む。

 

一日が終わる夕闇は

ほっとした安らぎと共に

あって欲しい。