春のエネルギー(4)楢の木

楢の山
楢の山

 

山里や田舎の植物や木には

ちゃんとした存在の意味がある。

 

家の周りの梅の木は梅干し。

甘い柿はおやつ

渋柿はおやつと正月飾りの干し柿

ワラビ、ゼンマイ、蕗は冬の保存食に。

塩で漬ける。

山椒の木は鯖のなれ鮨には欠かせない。

 

そして山には楢の木。

これは

囲炉裏の薪や炭に。

 

どれもこれも

今は昔の話。

 

生活の為の知恵として

ずっと受け継がれて来た

植物との共存。

 

うちに植えてある木を見ても

集落の人は当たり前の様に

「これは食えるんか?」と聞く。

 

「食」が生活の中心であったかが

よく分かる言葉だ。

 

誰も伐らなくなった楢の木は

春の山を美しく彩る。

淡くて白っぽい芽吹きの葉っぱ。

 

太陽の光を浴びて

風に揺れる楢の林。

青空の下で

美しい。