冬の逆戻り

 

ストーブの上に

ステンレスのやかんを三つ。

そして

白いコーヒーのポットが1つ。

 

やかんから

勢い良く湯気がたち

琺瑯のポットから

コーヒーの芳しい香り。

 

音をたてて吹く強い風

冷たい霙や霰が

窓ガラスにあたり

冬の逆戻りの日だった。

 

薪を惜しげもなく

ストーブに焼べて

暖かさに慣れた体に

幸せな温もりをもらう。

 

私は用事以外は

ずっと小屋の中でくすぶり

窓ガラスの向こうの

裏切りの春の嵐

腕組みをしながら

ぼんやりと見ていた1日だった。