鉄分の多い赤い土に
灰釉をかけて焼いただけの
素朴な濃い鉄色の器。
形もあっさりとずっしり。
でも
白いマッコリを注ぎ
片手で持って飲むのに
滑ってはいけない。
だから
口の下の辺りに
滑り止めのカンナの跡。
朝鮮李朝時代に
平民達が日常に使っていた
鉄色の器を
私はずっと気になっていた。
ソウルから電車とバスを乗り継いで
ひっそりとした町で見つけた
平民の器。
マッコリや クッパ(雑炊)の鉢
調味料入れの壷等。
旅の途中で
かさ張らず
落としても割れにくい
小さなマッコリの鉢を買った。
それは今
お菓子を入れたり
漬物を入れたりして
日々 うちのテーブルの上に登場している。